開館時間
9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
一般100円、中学生以下50円
※65歳以上(要証明)と未就学児及び障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
書家・熊谷恒子(1893~1986)は、昭和期に女性かな書の第一人者として活躍しました。熊谷恒子記念館では、かなの美展を開催します。本展では、日本の古典文学を代表する三大随筆『枕草子』『徒然草』『方丈記』を中心に、恒子がかな書に造詣を深めた作品を紹介します。『枕草子』は、平安時代に中宮定子(ちゅうぐうていし・一条天皇の皇后)に仕えた女房・清少納言が1001年頃に執筆したと伝わる随筆です。恒子はかな書の手本として、『枕草子』における清少納言の書を評価していました。清少納言について恒子は、「中宮定子に仕えた才気縦横、香炉峰の雪の頓才で殿上人をアツと言はしましたならばまことに幸ひと存じます」(註1)と尊重しています。
また『徒然草』は、鎌倉時代に後宇多上皇(ごうだじょうこう)の武士として仕えていた吉田兼好が出家し、生前に寓居していた京都・吉田の神竜院(吉田家の菩提寺)や三重・伊賀の草庵に散逸していた和歌や随筆を収集した随筆です。『徒然草』の折帖を参考に恒子は、かな書への関心を深めました。
本展では、清少納言の『枕草子』を題材として、その序文を帖に表現した《秋はゆふぐれ》(1935年)や、吉田兼好の『徒然草』にもとづいた《よろづのことは》(1971年)、鎌倉時代の僧侶・鴨長明が世間の無常観を書き記した随筆『方丈記』の冒頭《ゆくかはの》(1975年)などを展示します。三大随筆『枕草子』『徒然草』『方丈記』を手本に、作品へ展開された恒子の書をお楽しみください。
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